3つの流れをスムーズに
今回のダイスゲーム研修(株式会社ソフトパワー研究所開発のゲーム)では
- ダイスゲームのボードのモデリングの操作をすることで 「ゲームで分かったこと」
- 一般的なTOC理論を聞いて「理論が分かったこと」
- 自分事に生かせること
この3つの流れをスムーズに移行できるように「問いのデザイン」をしてみました。
第1ゲームが終わったら、
「なぜバランスの良い会社が倒産にむかうのか?」の問いを投げかけました。
第一ゲームの条件と、そのゲームで行った結果で、どのようにボード盤のチップが動いたかを話し合う。
それによって気づいたことや一般化のことを出し合い、そして私が若干の説明を行った。
ザ・ゴールの漫画本での場面や、「仕事は7割で動かせ」の松下幸之助さんのお話などを踏まえて理解をしてもらった。
ではそれを自分事化するとなると・・・
シートに書き込みリフレクション(振り返り)を行う
話し合いを行ったら、すぐにシートに書きこんでもらうにリフレクションを行った。
「分かったこと」
「自分事化できること」
「そのメリットはあるか」
「需要70個に合わせてぴったりと70個作れる能力で会社を構成しているのに、なぜ ちゃんと出せないんだろう?」
「私のサイコロの出方が悪かったんだ!」
「隣のグループと比べて、在庫にずいぶん差があるぞ。」
「第一工程の人が私がサイコロのてめえが1日少ないから在庫が多くなかったんじゃないかな?」
「このサイコロが悪い」サイコロの練習をするなど笑を混じり交えながらゲームの考察をしている。
なぜ効率化を目指しても上手くいかなかったのか
第二ゲームの投資をしたゲームのモデリング場面でも、同様の流れでやってもらう。
この場面での問いは
「なぜ効率化を目指しても上手くいかなかったのか」の問いであった。
第二ゲームのモデリングと完全に一致したモデル場面ではないんだが、効率化を図り、投資を行ったゲーム場面であることや、それに実際に結論として出たゲームの結果、情報を見てもらう。
「需要に合わせて生産能力を高めたはずなのに、みんなが忙しくなっているぞ。」
「忙しくなって残業もいっぱいしたのに利益が出てない。」
「むしろ現金はお金を借りなきゃなんなくなった??」
「直接原価方式と全部原価方式の違いがこんなに明確化されるなんて…。」
「現金がなく、銀行からお金を借りたのに、FCでは利益が出たと判断なり、税金が発生しているとは??」
多くの多くの疑問が出ている。まずはこのゲームモデルの状態で何が起こったかを冷静に判断させる。
このゲームの条件下で、やってみて出た結果をシートに書き込んでリフレクションをした。
DBRの理論を取り入れた第3ゲーム
いよいよ第3ゲームである。TOCのDBRの理論が伝えて、その状況を再現したゲームである。
もうすでにゲームのやり方を理解してきた状態であったので、
「第1週目で、なんかすごくスムーズじゃない?」
「あれ?全然残業しないぞ。」
「すごく忙しく働いている感じがしないのに…。」
9日目のリードタイム計測も、「青チップがどんどん進んでいる。」
実際に出た計算結果が驚くべき利益が発生。
このDBRの第3ゲームを行ってわかったことの話し合いに活気が出る。
そこで初めて第二ゲームとの比較の話にもなる。ボトルネックと、第一工程(投入が全て)など、キラーキーワードが飛び交い、TOC理論や自分事化で、話し合いが盛り上げる。
どうすれば ボトルネックが明確になる業務フロー作成になるの?
業務フロー作りも、わかった理論を自分事化する工程であるので。これに対して少し丁寧な説明を行った。
ここでは、「会社フロー」と「業務フロー」と「マニュアル」の違いをいつもよりも丁寧に伝えた。
そのおかげで業務フローやっている最中、
1人ビジネスを行っている人は、今は詰まってそうな業務フローをやってるが、家で会社フローをやってみたいとか、
大きなくくりで、会社フローをやってる人なども出てきた。
今回は3時間と言う時間設定をしっかり行った。
「考える」
「サンプルとの比較をする」
「さらに詳細を考える」
「外とチームとの発表会をする」
「さらにブラッシュアップをする」
3時間でも全く足りなかったかなと反省。なぜなら振り返りの時間が取れなかったからである。振り返りの時間をとって、さらに話し合いの時間が取れなかったからである。
それでも、最後に二日間の総まとめの感想を書く時間を取った。
なでしこスタイルさんのような会社にしたい
終わってから参加した1人と別の仕事の打ち合わせがあったので、簡単なミーティングを行った。
その時に「あのなでしこスタイルさんのようなスタッフが集まってる会社にしたいなぁ」としみじみとした感想が出てきた。
会社は改めて「人である」と言うことの実感。
なでしこスタイルさんも、結局大寒波のために前泊もしたが後泊もすることになる。
4人で参加なので、追加の宿泊は大きい痛手だなぁと申し訳なく感じながらも、
スタッフさん達は
「もう1枚業務フローの紙をいただけませんか」「今日やった見直しをやり行いたいんです。」
キラキラした目からその意欲が感じられた。
感想の中にこういうことがあった。前にTOCの研修を行って参加させてもらったが、今回は話し合いと考え方の深堀がものすごくできたと感じた。
多分TOCのダイスゲームは10回以上参加しただろうと思われる。味の農園の伊原社長もこんな感想をしていただいた。
「久しぶりの参加だったが、新鮮なイメージで受講できた。TOCのエッセンシャルは「人はそもそも善良である」を実感できました」
TOCダイスゲームの素晴らしさ
ソフトパワー研究所の清水先生が開発されたTOCのつながりとバランスを感じ取るモデルゲームは改めて素晴らしいと感じました。
頭の中で理論は理解しても、実際にゲームをして、そのチップの動きや、6工程までの流れを目に焼き付けながら話し合いをすることの大切さを改めて感じた。
私も何度も何度も、
「まずはゲームとして考えてください。」
「まずはこのゲーム盤の状況を目に焼き付けてください。」と説明した。
私の数年来の目標である、「ゲームで分かったこと」「一般(TOC理論)で分かったこと」「自分事化すること」の大きな3つの流れを丁寧に行って、自分事化して生産が出るTOCワークショップ研修を充実させていきたいとさらに感じた。
ソフトパワー研究所 https://www.softpower-lab.com/