幼稚園の頃、
よく砂場で砂山を作っていた。
友達と競って、誰が一番大きな山ができるかが
勝負だった。
ある時、一歳上の子が
「砂山が出来たら、一回頂上からペッタンコにつぶして、
その上にまた砂をのせると、すごく大きい山ができるよ」
と教えてもらった。
実際にやってみると
普通に砂を積み重なるよりも、
一度、つぶして台形にして、より土台を広くしてから
砂を積み重ねた方が、遙かに大きな山になった。
幼稚園の自分は、その現象に、目がランランとなった。
「大きな山を作るには、一回つぶす」
そんな矛盾なことであることが、
幼稚園の自分には常識が覆された。
しばらく、競争相手の友達には
教えなかった。
一人勝ちが続いてから、
段々、友達も真似するようになった。
今、50才に近い自分がいる。
砂山理論を思いだそう。
目先の利益ばかりにとらわれないで、
大きな山になるには、
何かをつぶし、土台を大きくしていく作業が必要だ。